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校正のABC

Penseur

2015.08.22

しおにゃん

DSC_0552

 

前回は校正の種類などについて触れましたので、今回はその手法などについて

考えてみたいと思います。

校正は別名「赤入れ」と言われるとおり、基本は赤ペンなどで間違いの指摘や変更

箇所についてを書き連ねていきます。赤ペンの理由は目立つのでその後の拾い漏れ

防止という意味があります。

活版時代は基本的にそれでよかったのですが、時代は変わりDTPが当たり前の時代、

校正用紙がカラーで出てくることが普通になりました。校正に対して意識の高い会社

などでは、おおよその色を含めて見るためのカラー出力と、文字校正用のモノクロ出力とを

分けて出しているところもあるようです。

 

校正するときに使用するペンですが、試行錯誤の上、いくつかのペンを使い分けています。

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まずは右から、赤ペン3種類。インクの出方と線の細さがそれぞれ違います。

紙質に合わせて、ということもありますが基本的にはコピー用紙に出力したものを

見ることがほとんどのため、校正紙の内容によって使い分けることが多いです。

なかでも一番よく使うのが、0.38mmの三菱ジェットストリーム。かすれずなめらか、

細い線なのにしっかりとした書き味で、きちんと伝えることができるので、溺愛して

使用しています。

 

話はそれますが、この三菱鉛筆というメーカー、銀行や造船の三菱グループとは実は

なんの関係もない会社です。よく三菱グループのことを「鉛筆からロケットまで」という

フレーズで例える人がいますがあれは間違いですね。これからは「ビールから戦車まで」

くらいにしておきましょう。

 

続いてありがたいのが、パイロットのHI-TEC-C、0.25mmです。細かい本文中の

トルツメなど、詳細な指示をしなければいけない場合、大変重宝します。また、真っ赤に

なるくらい校正記号を書かなければならない場合についても、文字が細いのでたくさん

書けます。

 

その他はマーカーで行全体一括指示をしたり、赤味が多い校正用紙の場合に緊急的に

使う青ペンなど、使い分けがミスそのものをなくす大事な鍵となるため、かなりの心血を

注いでどれをどう使って書くかということを考えています。

 

しかし結局校正は掛ける時間がそのまま精度に直結します。見る側のスキルによって

相対的に変わってはきますが、見るべき情報のきちんとした開示・解説、ポイントなどを伝え、

意思疎通をすることも校正の精度を上げる大きな要因の一つだと考えます。

校正の目的はただ一つ、きちんと100%以上のものに仕上げるための最終工程として、

多角度的に間違いをゼロにするということ。

見せる側も見る側もその意識をきちんと持っていれば、いい仕事につながると思います。

 

次回も校正の話を書こうと思います。