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俺は紫式部派

Penseur

2017.11.22

MT

俺は清少納言より、紫式部派。

枕草子より、源氏物語でしょ。

 

というわけでもないのですが、

11月19日に宇治市で行われた、

紫式部文学賞・市民文化賞の贈呈式に行ってきました。

目的は好きな作家である、津村記久子先生を一目見るため。

 

JRと阪急電車を乗り継ぎ、約1時間30分。

抹茶と平等院鳳凰堂で有名な宇治に着くと待ち受けていたのは、予想外の坂でした。

 

恥ずかしながら地理を把握しておらず、地図しか見ていなかったため

会場である宇治市民文化会館まで「歩いていけるっしょ」とか思っていました。(腰を痛めているのに)

坂に恐れをなしたため、バスに乗り込むと、乗り合わせたお客さんたちも津村先生の話をしていました。

 

その後、会場では申し訳なく思いながらも飛び込み営業的なことをやりつつ、

宇治市民の方々に囲まれながら着席。

 

市民文化賞を受賞した

詩集『キハーダ』の原発被災地への追悼と

句集『青の先』の初秋に対する感性豊かな描写が

朗読されるのを聞き、言葉の力に感心していると

 

津村先生のあいさつが始まりました。

一番心に残ったのは「小説は現実に抗う力がある」というものでした。

私も現実逃避として小説を読むことはあるのですが、現実を生きているからこそ読んでいると思うときがあります。うまく説明できないのですが、登場人物の気持ちや行動は、現実でも起こりえることだから許されるのだ、という感じです。

例え話をした方が分かりやすいかもしれませんが、恥ずかしいのでやめときます。

 

ちなみに受賞作である『浮遊霊ブラジル』は、行きと帰りの電車内で読み終えました。

短編集は集中が切れやすいのですが、これはすっと読むことができました。

ストーリーのバリエーションの豊かさと短さが関係しているのかもしれません。

『うどん屋のジェンダー、またはコルネさん』はもう一度、じっくり読み直したい作品です。

うどん屋のモデルは梅田のあそこかな?